海さんぽ~カサゴの洋風料理~

海さんぽ~カサゴの洋風料理~

釣りの魅力のひとつは、なんといっても新鮮なお魚の料理。
先日のカサゴはアヒージョになりました。

カサゴのアヒージョ

このアヒージョ、白身魚にはおすすめのお料理のひとつですが、これに似たお料理に「アクアパッツァ」「コンフィ」があり、時々「違いはなに?」という話題になるものの、なかなかすっきりと説明できないという方も多いのではないでしょうか?
そもそも料理が生まれた国が違う、ということまではだいたい想像はつきますが、
調理方法も全く違うのです。

まずは上の「アヒージョ」
スペイン語で「にんにく風」という意味があり、オリーブオイルとにんにくでエビやマッシュルーム、イワシ、牡蠣、砂肝、野菜などを高温で、短時間で煮込む料理のことを指します。スペインの伝統料理「タパス(小皿料理)」の一つとしても人気です。

次に「アクアパッツァ」
これは魚介類をトマトとオリーブオイルとともに水と白ワインなどで煮込むイタリア料理のことで、もとはイタリア南部・ナポリ地方の郷土料理です。焼いた魚を水で煮込んで旨みを引き出し、トマトやオリーブ、あさり、ムール貝などの具材を加え、オリーブオイルでシンプルに仕上げるという調理方法です。
このアクアパッツァの始まりは、ナポリの貧しい漁師たちが、売れ残った魚で作っていた料理から。当時は魚を焼いて海水で煮込み、トマトとオリーブオイルだけを加えたシンプルなものだったそうです。
アクアパッツァという言葉は、イタリア語で「狂った水」や「暴れる水」という意味で「漁師が船の上でこの料理を作るとき、船の揺れで鍋が暴れる様子」や「調理中に水が油にはねる様子」から、名前の由来がきているそうです。

上のカサゴのアヒージョの写真を見て、トマトを添えていることから、「アクアパッツァ、おいしそう。」とおっしゃってくださった方もいました。

そして最後に「コンフィ」
これは、油に食材を浸してじっくりと煮るフランス料理の「製法」のこと。魚介にかぎらず、この製法で作られた料理のこともコンフィと呼ばれ、もとは現在のような冷凍技術が発展していなかった時代に、肉を長期間保存するために編み出された方法だといわれています。
コンフィの語源はフランスの「コンフィル(confire)」で、日本語では「保存する」という意味になります。油で煮た後にそのまま冷やすことで油の脂肪分が固まり、脂肪の膜が食材をしっかりと覆って保存性が高まるのだそうです。
味をしっかりとつけるために、ハーブを加えるのが定番です。お魚によっては、骨までやわらかくなって、全部食べられてしまうくらいの料理方法。

このコンフィという調理方法を、私は数か月前に初めて知り、釣りの師匠にいただいタチウオでトライ。

タチウオのコンフィ

オーブンや鍋、フライパンはもちろん、炊飯器でも作ることができます。

ハーブの香りがなんとも食欲をそそります。鷹の爪でスパイスと彩りをプラスして、あっという間におとなのおもてなし料理に。

それぞれの国で生まれたおいしい料理方法、いろんなお魚でぜひお試しください☆

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